• 2017.07.31 UP

    映画『東京喰種トーキョーグール』レコーディングレポート

    今回は 先週公開が始まった映画”東京喰種”のレコーディング風景をご紹介します。

    録音が行われたのは今年の2月下旬。
    作曲家ドンデイヴィスの意向でアメリカはテネシー州、”ミュージック・シティ”の異名を持つナッシュビルのOcean Way Recording Nashvilleにて行いました。

    ※Ocean Way Recording:ハリウッドに本拠地を持つ、名だたるトップアーティスト達が名曲を産み出してきた伝説的なスタジオです。

    昔の教会を改装して作られた石造りのスタジオはステンドグラスが当時のまま残されたクラシカルな造りで、オーケストラの演奏をさらに上質に響かせます。
    (スタジオの前を不意に大型トラックが通ると、ノイズで録音中断になるのもご愛嬌。。。)

    レコーディングは丸二日に及ぶ大規模なものでしたが、今年還暦を迎えたドンデイヴィスは驚くべき体力と集中力、そして多分にジョークも交えつつミュージシャンとのセッションを完璧に乗り越えてみせました。

    思えば、初めてドンデイヴィスにコンタクトを取った際にはオファーを断られています。
    返信があまりに来なくて、早朝にアメリカに電話を掛けたりしたのも良い思い出です。

    まぁ遠い日本から突然オファーされて信憑性を疑っていたことと思いますが、しぶとく連絡を重ねて、作品の持つテーマを理解してもらってからは、(私の持っていたステレオタイプなアメリカ人像を覆すほど笑)真摯に作品へと参加してくれました。
    記憶する限り、彼とやり取りを始めてから文句を言ったところを一度も見聞きしていません。本当に。

    さて、今回私達GRAND FUNKの命題はというと、萩原監督のシーンに対する意向を汲むことはもちろんのこと”ハリウッド”映画作曲家の目線と”東京”喰種の世界観を融合させる事にあったと思っています。
    ドンデイヴィスとは1シーンごとに人物の感情を確かめ、ディスカッションを繰り返しながら東京喰種独自の世界を作り上げました。

    近年の日本映画としては類を見ない緻密さで映像にシンクロした音楽にも耳を傾けながら
    是非 映画『東京喰種トーキョーグール』をお楽しみ下さい!!

    GRAND FUNK プロデューサー宮地