ALEKUSHI 2021 オーディオブック『アレク氏 2120』

 

監督
堤幸彦

 

脚本
溝口 武蔵、柴田 孝介

 

出演

山寺 宏一、梶 裕貴、窪塚 洋介、三石 琴乃

波岡 一喜、伊藤 歩、白石 聖、尾上 松也、竹中 直人、木野 花、星野 真里、他

 

音楽
久保暖

 

音楽プロデューサー
茂木 英興

 

Audible作品ページ

 

[NOTE]

Amazonによる音声コンテンツ配信サービス「Audible」。

その完全オリジナルの”聴く映画”として制作された『アレク氏2120』は、

『ケイゾク』『TRICK』『SPEC』『池袋ウエストゲートパーク』など

数々のドラマや映画を手掛けてきた堤幸彦監督による映画級ポッドキャストです。

オーディオのみで展開される本作品の音楽は、

100年後と現在が交差する本格SFストーリーの世界観を拡張する

作曲家 久保暖氏による美しい電子音楽を中心としたアプローチです。

音楽プロデューサー 茂木のコメントをぜひお読みください。

未来のAI​とのバディSFミステリーを「オーディオ」だけで表現する・・・???

しかも脚本を拝読したところ間違いなく「ケイ〇ク」~「S〇EC」~「Sic〇’s」との繋がりが・・・???

混乱しつつも未知​への挑戦のために(堤幸彦監督筆頭にスタッフが皆ベテラン中のベテラン、

スペシャリストの布陣だったこともふまえ)音楽はうら若き20代、「​1e1」こと久保暖さんにお願いしました。

さらに久保さんにはざっくりした概略はお話しましたが

脚本は渡さずに作品と距離を置いたところから、自由な想像力で音楽を作ってもらいました。

その距離を強引にシンクロさせることによって起こる反応は、概ね「想定」の斜め上の結果を生みます。

音楽プロデューサーとしては「賭け」ではあるのですが、最初に「世界感」を渡してしまうと

想像力がその「世界」からはみ出さないので、僕は時々こういうプロデュースの仕方を楽しみます。

作家さんは嫌だと思いますが!!すみません!!

今回の「賭け」は予想以上の結果でした。

Audibleの再生環境はヘッドフォンであることも多いと思うのですが

久保さんの音楽はその密室な耳の中でこそ、異様な爆発力を持つ精緻さを持っています。

最もハイファイなリスニングは脳内再生であるという言説があります。

久保さんの音楽、トーンはまさにそのシミュレーションのようです。

若さならではの強烈な捻じれ、切れ味も手伝い、堤監督のおっしゃる「脳に来る」

他に例を見ないにサウンドトラックに仕上がったと思っています。

久保暖さん、間違いなく鬼才です。電子音響的な面が多く取り上げられるアーティストですが

間違いなく近いうちに100年残る名曲を書くと思います。

音楽プロデューサー/茂木英興